ここは涙の底。
あの日から涙が止まらない。
事件から数日が経った。
この傷は閉ざされたのだろうか。
見えない傷だから解らない。
ただ、少しづつ戻ってきているのだろう。
憎しみに変わってきた。
ただ、裏返せば悲しみなんだろう。
相性だった。
結果それだった。
価値観が違いすぎた。
合わせようともしなかった。
お互いの観念を埋め込み合いして、ぶつかっての繰り返しだった。
あんな終わってる人材は初めてだ。
だが情が邪魔をして傷の治りが遅い。
心のかさぶたが早く欲しい。
この傷がかさぶたに変わる時。
また一つ違う人間になってるのだろう。
ここは…
涙の底。